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会社の人事労務面の健康診断
人事労務セルフデューディリジェンス(HRセルフDD)
当事務所は、「会社の健康診断」を特色的業務の一つとしております。「会社の健康診断」というのは比喩です。会社の「従業員の」健康診断にまつわる法律相談などではありません。
会社の人事労務面のコンプライアンス状態を調査・検討し、問題点を発見し、改善案を提案するための手続です。2019年11月現在、このサービスを扱っている法律事務所は当事務所以外にございません。当事務所設立前に当サービスをご提供し、お客様から大きなご満足をいただけたことから、当サービスを展開しております。
1 デューディリジェンス(Due Diligence)とは
法律上定められた定義はありませんが、企業買収・企業再編などのM&A取引の実施にあたり、関連当事者がその意思決定に直接・間接に影響を及ぼす種々の問題点を調査・検討する手続をいいます。ほとんどの場合、買主となる企業が、買収する対象会社の問題点を調査・検討すること手続を指します。もっとも、売主となる企業が、合併に先立ち自社の抱える問題点を調査・検討する場合(Seller’s Due Diligence)もあります。
2 デューディリジェンスの種類と意義
デューディリジェンスとしては、法律上の調査・検討にとどまらず、財務上、税務上、ビジネス上等様々な問題点が検討の対象となります。
このうち、弁護士・法律事務所が携わるのは、法律上の問題点の調査・検討を対象とする法務デューディリジェンスです。
法務デューディリジェンスにおいては、会社の基本的事項、株主関係、不動産等の資産関係、知的財産関係、契約関係、人事労務関係、許認可関係、訴訟・紛争関係、環境問題など、各分野について、調査・検討が実施されます。
法務デューディリジェンスには、莫大な資料の調査・検討の時間を要するため、多額の弁護士費用がかかります。しかし、それでもM&A取引に先立ちデューディリジェンスが行われるのは、合併後に多額の弁護士費用と比べものにならないほど巨額な簿外債務の発覚などの取り返しのつかないリスクを回避するためです。
3 会社の健康診断~セルフデューディリジェンス
人間(自然人)は、従業員の方も経営者の方も、少なくとも年に1回健康診断を受診し、健康状態をチェックして、悪いところがあれば早期に手を打つことができます。
他方、会社(法人)そのものには、健康診断がありません。会社には、株主総会、取締役会、決算など、会社の運営、財務についてチェックする機会が設けられています。しかし、これらの手続では、部分的なチェックしかできません。簡易でも良いので、会社の法務面の問題点を網羅的にチェックする機会が必要です。
いわば、会社にも、少なくとも年に1回健康診断の機会が必要です。会社の法務面の健康状態をチェックして、悪いところが見つかれば早期に手を打つことができます。
これは1で述べたセラーズデューディリジェンス(Seller’s Due Diligence)と同様の役割です。
4 会社の人事労務面の健康診断
~人事労務セルフデューディリジェンス(HRセルフDD)
通常的な場面(M&A前)におけるデューディリジェンスには、莫大な労力を要し、必然的に弁護士費用も何千万円単位もの多額に上ることも少なくありません。
しかし、年に1回、このような徹底的なセルフデューディリジェンスを行うことは、会社に過大な負担を強いることとなり、実効的ではありません。
他方、法務デューディリジェンスにおいてよく問題が発見されることのある分野の一つが、人事労務面です。
例えば、500人の従業員を雇用するA株式会社では、不適法な固定残業代制度を導入して、支払わなければならない残業代を支払っていなかったという場合、従業員1人あたりについて支払義務がある残業代額が平均200万円だとした場合、これだけで会社の簿外債務は、10億円となります。もし、この500人の従業員が一斉に残業代を請求した場合、何の問題もなく、即時に支払いができる会社はほとんどないのではないでしょうか。
また、労働法分野は、毎年のように法改正があり、裁判例が出され、非常にダイナミックな分野です。何年か前に弁護士に相談したときに手を入れてもらったから大丈夫だろうというのでは危険であると言わざるをえません。
さらに、労働基準法は、使用者である会社の法令違反に対して、刑事罰を設けています。また、労働基準監督署により行政取締が行われることもあります。適法な人事労務体制の構築を怠り、刑事罰や労働基準監督署からの行政処分を受けた場合の会社へのダメージはとくに甚大です。
そこで、まずは、自社の人事労務面の健康診断をお勧めいたします。
本サービスでは、会社の人事労務面の網羅的な健康診断を実施し、報告書を作成し、改善案を具体的にご提案させていただきます。
AIを活用した人事労務についてもご対応いたします。
また、HR戦略として、外部委託(業務委託契約)の形式を取っている企業様につきましても、広く自社の人事労務の問題のセルフチェックとして当サービスをご利用いただくことが可能です。
5 通常の弁護士への依頼との違い
会社(使用者)が、弁護士に労働問題にスポットで相談する場合、例えば、従業員Aから残業代の支払請求を受けた、解雇した従業員Bから解雇無効の訴えを提起された、問題ある従業員Cに懲戒を検討しているがどうしたらよいか、といった個別的なご相談内容がほとんどです。その会社が他の労働問題を抱えていたとしても、ご相談いただいていなければ、弁護士はその問題に対応することはできません。
他方、人事労務セルフデューディリジェンス(HRセルフDD)では、人事労務面で起こりうる問題について、弁護士が主導して、事前に、かつ、網羅的に調査・検討することができます。
6 料金
※顧問契約をご締結いただいている場合、顧問料月額に応じ、減額させていただきます。