寺社法務

寺社法務

目次

第1 はじめに

当事務所は、寺院のお客様からの種々のご相談に応じております。

寺院や寺院墓地の運営や管理には、以下のとおり、多岐にわたる法的問題があり、民法、借地借家法、刑法、労働法といった弁護士に馴染みの深い法律にまつわる法律問題から、宗教法人法、墓埋法といった寺院法務に特有の法令にまつわる法的問題がございます。後者については、寺院法務の取り扱い実績がある弁護士でなければ適切かつ円滑な対応が困難となります。なお、宗教法人法は、組織法として会社法との親和性があり、墓埋法には行政取締法として各種規制業法との親和性があるため、企業法務と一定の親和性があるといえます。ただし、寺院法務を取り扱う弁護士は、企業に関する法律と寺院に関する法律との違いを踏まえ、寺院の特性を考慮しながら、しっかり使いこなせなければなりません。

第2 寺院運営・管理

寺院や寺院墓地の運営や管理について問題となるテーマは、具体的には以下のとおりです。これらは、あくまでも例示ですので、これ以外にも、例えば代表役員が交通事故に遭ってしまった、従業員が相続の問題で悩んでいるといった、寺院以外でも起こりうる法律問題もあります。

1 寺院に関する紛争への対応

①代表役員等の地位に関する紛争

②檀信徒との紛争

  • 永代供養料
  • 墓地の相続(墓地使用承継)
  • 墓地管理料の不払い
  • 墓じまいに関する問題

③包括法人との紛争

④不動産に関する紛争

  • 賃貸している土地・建物に関する問題(賃料の不払い、退去拒否等の問題)

⑤近隣等との紛争(妨害排除、境界の問題等)

⑥労務に関する紛争

→人事・労務については、こちらをご覧ください。

2 各種規則の整備

以下は一例ですので、これ以外のものについてもご相談ください。

  • 寺院規則
  • 責任役員会・総代会運営規則
  • 護持会運営規則
  • 永代供養・永代供養墓等管理運営規則
  • 墓地管理運営規則
  • 労務管理に関する規則(就業規則、労働契約書、給与規定、退職金規定等)

3 各種書面のチェック・作成

以下は一例ですので、これ以外のものについてもご相談ください。

  • 責任役員会
  • 役員名簿
  • 財産目録
  • 収支計算書
  • 貸借対照表
  • 境内建物に関する書類
  • 処務日誌、文書処理簿
  • 事業に関する書類
  • 各種公告に関する書類
  • 規則変更認証申請書
  • 合併認証申請書
  • 改葬許可申請書
  • 墓地管理料納入催告書

4 危機管理や重要な財産の処分など

以下は一例ですので、これ以外のものについてもご相談ください。

  • 各種リスクの評価・算定、リスク対応体制の整備
  • 住職等の法務中の事故への備えや対応
  • 境内地内等のおける事故等への備えや対応
  • その他有事の際への備えや対応、各種契約のサポート
  • 重要財産の処分のサポート(契約書の作成・チェック・交渉)
  • 契約書の契約内容のチェック
  • 融資に関するサポート(契約の交渉、契約書のチェック)

→契約に関しては、こちらをご覧ください。

5 墓地・納骨堂・永代供養の新設・管理・運営・廃止

以下は一例ですので、これ以外のものについてもご相談ください。

  • 法などの許認可等の申請
  • 新設等における契約墓埋(契約書のチェック・契約の交渉等)

→契約に関しては、こちらをご覧ください。

  • 管理規則、申込書、契約書、受領書等のチェック・作成
  • 無縁佛(無縁墓等)様の合祀(改葬・撤去・合祀等)
  • ご遺骨の一時預かり等の管理運営(預り書、管理運営規則等の作成等)

6 寺務承継・後継者問題

以下は一例ですので、これ以外のものについてもご相談ください。

  • 後継者の選任、選任手続等
  • 入寺における条件交渉、確認書の作成
  • 寺務の引継ぎや承継等の手続

→ 法人運営や経営状況の調査、備付帳簿等の調査・作成・申請

7 包括法人との交渉・手続

8 宗教法人の引継ぎ・合併・清算

  • 後継者がいない場合の法人の後任の紹介、引継等
  • 無住寺院・兼務寺院(法人)の吸収合併、新設合併
  • 無住寺院等の解散等の手続

9 宗教法人の登記

  • 代表役員の選任登記等
  • 境内の土地建物等に関する登記

第3 コンサルティング

寺院様の経営や檀信徒様との関係の維持強化のためのコンサルティングとして、以下のサポートを行っております。また、例えば、お守りの通信販売を考えているが特定商取引法との関係でどのように行えばよいか、お問い合わせフォームを設置しているが個人情報の取扱いについてどのような点に注意したらよいのか、寺報にある小説の一文を引用したいが著作権法との関係でどのように行えばよいかといった、寺院の日常業務にまつわるコンサルティングにも対応させていただいております。

第2がいわば「守りの法務」(予防法務・臨床法務)であるのに対し、この第3の内容はいわば「攻めの法務」(戦略法務)です。

  • 檀信徒様向けのセミナー等の実施
  • 檀信徒様の終活(後見・遺言・信託・死後事務等)のサポート
  • 収益事業や副業等の起業の提案、法人設立(NPO法人・社会福祉法人・農業法人・営利法人等)、経営のサポート
  • 危機管理診断、改善指導、改善のサポート 等々

第4 セミナー(「寺子屋セミナー」)

1 檀信徒様や近隣住民に対して

これまでに多数回にわたり、様々なトピックについてセミナーを実施しております。檀信徒様や近隣住民様の関心が強いと思われる相続や家族信託のテーマ、残業代請求の問題、仮想通貨と法、といった多岐にわたるテーマを内容としております。

2 信行会等に対して

信行会や宗務所・組寺等の各種集まりにおいて、適宜のテーマ(墓地管理、借地借家管理、従業員との労働契約、寺院運営上のガバナンス等)の講演をいたします。

第5 檀家様や近隣住民への法律相談(「駆け込み寺法律相談」)

顧問先の宗教法人に赴いて宗教法人が抱える法律問題についての相談のみならず、檀信徒・近隣住民の相談にも乗ります。宗教法人において近隣住民向けの無料法律相談会を開くことは、地域に開かれた宗教法人をアピールでき、公益活動になります。

第6 具体例

ケース1

ご質問:「檀家より、備付書類の閲覧請求を受けたのだが、何をどのように開示したらよいのか」、「寺院規則以外に寺院運営に関する規定が全く存在しない」

ご回答:規定がないことのリスクとして、とくに、法的紛争となったときに、解決のための根拠がなく、不利な認定がされてしまうことがあります。各種規定の整備、とくに貴寺院の実情に即した墓地規定・施設利用規定・備付書類閲覧細則といった各種規定を作成し、紛争を未然に予防する体制を作る必要があります。

ケース2

ご質問:「墓地使用者から中途解約したいとの申出があったのだが、寺院は墓地使用者に対して、永代供養料を返還する必要があるのか」、「これまで墓地使用者が中途解約する際に永代供養料の返還を請求されたことはなかったため、どう対応したらよいかわからず困っている。」

ご回答:当該墓地使用者との交渉により、墓地使用の中途解約がなされても永代供養料の返還は認められないとの内容の承諾を取り付けていくことになります。また、墓地規則中に永代供養料の返還の要否に関する規定を設けていない場合、墓地規則の全面的な整備を行い、紛争を未然に予防する体制を作る必要があります。

ケース3

ご質問:「檀家が改葬する際に、埋蔵証明書の発行と引き換えに、離檀料を請求することができるか」

ご回答:離檀料は、本質的には布施・寄進にあたるため、檀家からの自発的な支払いがない限り、取り立てることまではできず、取り立てを強行してしまうと、場合によっては寺院側が不法行為に基づく損害賠償責任を問われる可能性があります。離檀する檀家とのやりとりに際し、弁護士が立会い、交渉のバックアップをすることをお勧めします。

第7 顧問契約のメリット

1 弁護士費用の割引サービス

訴訟対応や複雑な書面作成等にあたり、ご契約内容に応じて、15~30%の割引をさせていただきます。

2 迅速な対応の実現

一般に弁護士と法律相談をする場合、ホームページなどで法律事務所を探し、電話やメールで問い合わせ、日程調整をし、法律相談をするという流れになります。顧問契約締結により、このような煩雑な手続を踏まずに、顧問弁護士に電話やメールで直ちに相談できます。急を要する相談内容の場合、顧問契約を締結していない場合よりも優先した対応が可能です。原則として、ご相談いただいてから24時間以内に第一次的な対応をさせていただいております。

3 顧問先様により適したアドバイスができます

顧問契約を締結していない弁護士に相談する場合、事業内容や組織構成等、相談内容と直接関係のない背景部分に多くの時間を割かれてしまいます。顧問弁護士は、顧問先の事情に精通しているので、トラブルや法律問題に対する直接的な解決方法を選択できます。

4 お気軽なご相談が可能

日々の業務でトラブルが懸念されたり、トラブルが発生した場合に、その問題が法律問題なのか、弁護士に相談する問題なのかの判断に迷うことがあると思われます。顧問契約中は、法律相談等各種サービスが無料となるため、相談すべきなのか少しでも迷った際には、お気軽にご相談いただくことが可能です。

5 法務コストの削減

法務担当者を設置するコストは非常に負担が大きいものとなります。コンプライアンスの重要性が非常に大きくなった現在でも、直接の利益を生み出さない法務部や総務部の設置はコスト負担が非常に大きいものです。日々の業務を行いながら、法務や総務についてまで行うことは極めて困難であり、本業への専念ができなくなることから、大きな足かせになります。とりわけ寺院運営にあたり、専属の法務担当者を設置することは極めて難しいことであると思われます。

弁護士との顧問契約は、法務部門のアウトソーシングとして、法務担当者を雇用するよりもコストを押さえつつ、法務の専門家である弁護士と常時つながりを持つことにより、法務部門の設置と同様のメリットがあります。

特に、紛争発生時には、顧問弁護士への活動依頼によって、時間と労力を大幅に節約することが可能です。

6 従業員や檀信徒様への福利厚生

顧問契約の範囲内として、役員・従業員様やそのご家族、檀信徒様やそのご家族の法律相談を無料とさせていただきます(相談内容が複雑な場合で相談時間が長時間に及ぶ場合は別途協議とさせていただきます)。

7 顧問弁護士としての外部表示可能

顧問弁護士が付いていることをアピールできると、取引先や顧客の信頼関係が増したり、違法請求などを牽制したりすることが可能です。

8 その他

既存の類型的な法的サービスの提供だけではなく、協議を重ね、柔軟な法的サービス提供をさせて頂きます。

第8 報酬体系(消費税別表示)

1 スポットでご依頼いただく場合

以下の弁護士費用はあくまでも目安であり、ご依頼案件の難易度や作業量などによって増減がございます。また、下記の弁護士費用の他に日当、実費が発生致します。ご要望があれば、事前にお見積書を作成しております。

(1)法律相談 1時間:1.5万円(ただし初回30分は無料)

(2)契約書の作成・チェック:5万円〜20万円

(3)社内規則の作成・チェック:5万円〜30万円

(4)債権回収

  • 交渉バックアップ:1時間3万円
  • 内容証明郵便での請求:着手金10万円+回収額の15%
  • 相手方との交渉:着手金20万円+回収額の15%
  • 裁判による回収:着手金30万円+回収額の15%

(5)労務問題

  • 紛争外案件:1時間2万円〜
  • 労働者との交渉対応:着手金20万円〜+減額分の15%
  • 労働審判対応:着手金40万円〜+減額分の15%
  • 保全手続対応:着手金40万円〜+減額分の15%
  • 民事調停対応:着手金30万円〜+減額分の15%
  • ADR対応:着手金30万円〜+減額分の15%
  • 不当労働行為対応:着手金40万円〜+減額分の15%
  • 団体交渉対応:着手金40万円〜+減額分の15%
  • 訴訟(第1審まで):着手金30万円〜+減額分の15%

(6)セミナー

  • 1時間:5万円〜10万円

(7)駆け込み寺法律相談

  • 1回(2時間〜3時間):3万円

2 顧問契約

以下の表は、あくまでも目安としての報酬体系のご提案となります。例えば、「月額●万円の範囲で、○○の範囲についてだけ、顧問契約を締結してほしい」といった、貴寺に最適なテーラーメイドの内容を協議、検討させて頂くことが可能です。

第9 終わりに

寺院がストレス社会となった現代において果たすべき役割は多くあります。

寺院は、長らく開かれた救いを求める場所であり、悩みを抱えている方の話を聞き、問題の一端を解決してきました。内容によっては専門家と役割分担するという必要もあると思われます。

どうしても、寺院というと、荘厳で、一般人から敷居が高く、近づきがたいイメージが強く存在します。弁護士もまた、敷居が高く、本当の危機に直面するまでは相談しにくいというイメージが強く存在してしまっています。

当事務所は、まだ我が国における寺院や弁護士が取り組めていない新たな一歩のために本サービスを行っております。

 

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