飲食店法務

飲食店法務

第1 飲食店法務

1 総説

飲食店の経営においては、各種業法規制、取引先との契約、人事労務問題、お客様との関係(クレームトラブル、債権回収、インターネットの書込みの問題など)、不動産の問題、フランチャイズ契約、商標登録など、多岐にわたる法的な問題に直面することが多いことが特徴です。

その反面、主治医のような顧問弁護士がほとんど普及していない業種です。その理由としては、飲食業に限らず、弁護士の敷居が現在においても高いままであること、弁護士報酬の不明瞭(例えば、着手金・報酬金、タイムチャージ、金額や時間の上限等)、法務面をアウトソースすることがまだ慣習化していない業種であること、法務にまでとても手も頭も回らないなど、様々な理由が挙げられています。

以下において、飲食店の皆さまが直面する多岐にわたる法的な問題と、それらの問題について弁護士がどのようなサポートをできるか概説いたします。

2 各種業法規制

下記は一例であり、他に食品衛生法による規制等があります。

  • 飲食店の開業・営業許可を得るためには、保健所に「食品営業許可申請」を行う必要があります。これは飲食を提供する店舗全てが対象となります。
  • 収容人数が30人を超える場合は「防火管理者選任届」、建物や建物の一部を新たに使用し始める場合は「防火対象設備使用開始届」、火を使用する場合は「火を使用する設備等の設置届」を消防署に提出する必要があります。
  • 店舗で深夜12時以降にお酒を出す場合は「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」、お客様に接待行為を行う場合は「風俗営業許可申請」を提出する必要があります。
  • 飲食店を開業した場合には開業届を税務署に提出する必要があります。

業法の規制は、経営者様自らが行うには煩となることが多く、またその対応が多岐にわたることから、弁護士のサポートを受けることで手間を大幅に減らすことができます。

3 取引先との契約

仕入先をはじめとする継続的な取引関係がある相手方との間では、基本取引契約書を締結のうえ、個別に注文書などを用いることが一般的です。もっとも、景気の上下や、双方の経営状況などから、定期的に基本取引契約書の内容を検討する必要があります。また、個別の取引に際しても、規模や金額が大きくなる場合には、事前にチェックを入れることが転ばぬ先の杖になります。

企業法務分野を扱う大半の弁護士は、契約書のチェックや作成を日常的に行っているので、お気軽に契約にまつわるご相談をお受けできます。

4 人事労務問題

近時飲食店の抱えるリスクとしては、①人手不足リスク、②労務管理・労働時間管理リスク、③懲戒や解雇などの従業員との対立が最も激化する場面でのリスクといった、人事労務問題の各場面ごとの様々な法的リスクが存在します。店舗を複数店経営する場合には、これらのリスクが生じる可能性も高まります。

飲食店事業における①および②について、人手不足の一因は、飲食店事業における労務管理への不安も挙げることができます。適正な労務管理を実現するためには、就業規則や雇用契約書の見直し、多様な働き方の導入など、様々な施策が考えられます。また、企業側で支払うことができる人件費の割合を踏まえ、どのような労働条件や労働時間管理を行うことができるのかを検討、施策することが必要となります。

また、③懲戒や解雇といった、従業員との対立関係がピークになる場面においては、弁護士が代理人として、従業員と交渉することができます。

弁護士が人事労務面でサポートできる内容は多岐にわたります。

臨床法務(訴訟など、法的リスクが現実化した際に、損失や悪影響を抑えるための法的対応)のみならず、予防法務(就業規則や雇用契約書の見直し、残業時間管理方法の見直し等、具体的なトラブルや損失が発生する前に法的リスクに対して必要な手当を講じること)や戦略法務(いかにして社員のモチベーションを上げることができる評価体制を構築するか、また服務規律規程を設定するか等、法務知識を意図的に営業推進等に活用していく積極的な法務対応)につきましても、法的にサポートすることが可能です。

5 お客様との関係(クレームトラブル、債権回収、インターネットの書込みの問題など)

ここでは、インターネットの書込みにまつわる問題とその解決手段についてご紹介いたします。

近年は顧客が不満足感情をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や飲食専門のポータルサイトに投稿することが多く見られます。

そして、SNS等での評判がお店の売上に大きく影響することが多くなってきていることから、クレーム投稿を軽視できない時代になっています。そこで、クレーム投稿に対して放置するのではなく、飲食業者として誠実な対応を行うべきです。

この場合の基本的な対応のステップは対面や電話によるクレームと同じで、まずは投稿された内容が事実かどうかを早急に確認する、確認がとれた場合にはタイムラインなどを通じて投稿をした人にコンタクトをとります。このとき確認がとれた事実の内容に応じた説明や謝罪を行うことになります。

クレーム投稿の内容が虚偽であり風評被害を呼ぶようなものであれば、事実を公表すること、名誉毀損・営業妨害で告訴すること、投稿の削除を要請することなどの対応を検討します。

6 不動産の問題

例えば、ビルのテナントに入店している飲食店は、建物賃貸借契約の締結段階(新たに出店するときなど)、継続中の段階(まさにテナントを借りてそこで営業しているとき)、終了の段階(店舗の移転などにより当該テナントを解約、返還するとき)といった各段階で法的な問題が生じます。

建物賃貸借や不動産売買契約は、契約の中でオーソドックスな典型契約とされていますが、そこに生起する法的問題は多岐にわたります。また、とくに不動産売買契約は取引額が大きくなることが多いので、契約にあたっては、弁護士にその内容の確認を得ることが有益です。

7 フランチャイズ契約

フランチャイズ・システムの定義は様々ですが、一般的には本部が加盟店に対して、特定の商標、商号等を使用する権利を与えるとともに、加盟店の物品販売、サービス提供、その他の事業・経営について統一的な方法で統制、指導、援助を行い、これらの対価として加盟店が本部に金銭を支払う事業形態であるとされています。

フランチャイズ契約は、当事者間でトラブルが生じやすい契約形態であり、具体的には以下のような場合にトラブルとなるケースが多いです。

  • 売上予測と開業後の売上が異なる場合
  • ロイヤリティについての加盟店の事前の認識が不十分だった場合
  • 既存の加盟店の近隣で同一チェーンの店舗が開店する場合
  • 中途解約や違約金について当事者間で合意ができない場合
  • 契約の更新に関し本部と加盟店の主張が異なる場合
  • 本部からの指導援助について、加盟店から不満が出た場合
  • 本部もしくは加盟店がM&Aを実施した場合
  • 加盟店が競業避止義務に違反した場合

また、フランチャイズ契約は、民法や商法といった一般的な法律以外にも、中小小売商業振興法や独占禁止法といった専門性の高い法律の規制対象にもなっています。

このような複雑かつ専門的な分野であるフランチャイズ契約の策定について、プランニング、実行を全般的にサポートいたします。

8 商標登録

飲食店の店舗名の商標を登録することによって、その店舗を独占的に使用することができます。商標を登録すると、他人が類似した名称を付けて商品を販売することやサービスを提供することは商標権の侵害となり、その他人に対して差止請求や損害賠償、不当利得返還請求等を求めることができます。

また、自社ブランドの商品を販売する場合にも、ブランド名を利用して他人が似たような商品を販売することを防止できるため、ブランド力の維持、発展のためにも商標登録は有益です。

他方、商標登録をしていなかった場合は、類似した店舗名の商標を登録していた他人から商標権侵害を主張されることもあります。この場合には、店舗名の変更や損害金の支払いなどのリスクが発生します。店舗名や看板が変わることで、顧客の流出につながることもあります。

第2 顧問弁護士のメリット

1 弁護士費用の割引サービス

 

2 迅速な対応の実現

一般に弁護士と法律相談をする場合、ホームページなどで法律事務所を探し、電話やメールで問い合わせ、日程調整をし、法律相談をするという流れになります。顧問契約締結により、このような煩雑な手続を踏まずに、顧問弁護士に電話やメールで直ちに相談できます。急を要する相談内容の場合、顧問契約を締結していない場合よりも優先した対応が可能です。

3 顧問様により適したアドバイスができます

顧問契約を締結していない弁護士に相談する場合、事業内容や組織構成等、相談内容と直接関係のない背景部分に多くの時間を割かれてしまいます。顧問弁護士は、顧問先の事情に精通しているので、このような背景部分の説明に多くの時間を割くことを回避でき、トラブルや法律問題に対する直接的な解決方法を選択できます。

4 お気軽なご相談が可能

日々の業務でトラブルが懸念されたり、トラブルが発生した場合に、その問題が法律問題なのか、弁護士に相談する問題なのかの判断に迷うことがあると思われます。顧問契約中は、法律相談等各種サービスが無料となるため、相談すべきなのか少しでも迷った際は、お気軽にご相談いただくことが可能です。

5 法務コストの削減

法務担当者を設置するコストは非常に負担が大きいものとなります。特に会社では、コンプライアンスの重要性が非常に大きくなった現在でも、直接の利益を生み出さない法務部の設置はコスト負担が非常に大きいものです。日々の業務を行いながら、法務や総務についてまで行うことは極めて困難であり、本業への専念ができなくなることから、大きな足かせになります。

弁護士との顧問契約は、法務部門のアウトソーシングとして、法務部門の設置と同様のメリットがあります。

特に、紛争発生時には、顧問弁護士への活動依頼によって、時間と労力を大幅に節約することが可能です。

6 従業員やご親族様への福利厚生

顧問契約の範囲内として、役員・従業員様やそのご家族様の法律相談を無料とさせていただきます(相談内容が複雑な場合で相談時間が長時間に及ぶ場合は別途協議とさせていただきます)。

7 顧問弁護士としての外部表示可能

顧問弁護士が付いていることをアピールできると、取引先や顧客の信頼関係が増したり、違法請求などを牽制したりすることが可能です。

8 その他

既存の類型的な法的サービスの提供だけではなく、協議を重ね、柔軟な法的サービス提供をさせて頂きます。

第3 報酬体系(消費税別表示)

1 スポットでご依頼いただく場合

以下の弁護士費用はあくまでも目安であり、ご依頼案件の難易度や作業量などによって増減がございます。また、下記の弁護士費用の他に日当、実費が発生致します。ご要望があれば、事前にお見積書を作成しております。

(1)法律相談 1時間:1.5万円(ただし初回30分は無料)

(2)契約書の作成・チェック:5万円〜20万円

(3)各種書面・規則の作成・チェック:5万円〜30万円

(4)債権回収

  • 交渉バックアップ:1時間3万円
  • 内容証明郵便での請求:着手金10万円+回収額の15%
  • 相手方との交渉:着手金20万円+回収額の15%
  • 裁判による回収:着手金30万円+回収額の15%

(5)労務問題

  • 紛争外案件:1時間2万円〜
  • 労働者との交渉対応:着手金20万円〜+減額分の15%
  • 労働審判対応:着手金40万円〜+減額分の15%
  • 保全手続対応:着手金40万円〜+減額分の15%
  • 民事調停対応:着手金30万円〜+減額分の15%
  • ADR対応:着手金30万円〜+減額分の15%
  • 不当労働行為対応:着手金40万円〜+減額分の15%
  • 団体交渉対応:着手金40万円〜+減額分の15%
  • 訴訟(第1審まで):着手金30万円〜+減額分の15%

2 顧問契約

以下の表は、あくまでも目安としての報酬体系のご提案となります。とくに飲食店の場合には、規模や法務サービスへのニーズの程度により個別的なご契約内容を協議させていただいたうえ、契約内容を確定することがほとんどです。例えば、「月額●万円の範囲で、○○の範囲についてだけ、顧問契約を締結してほしい」といった、貴院に最適なテーラーメイドの内容を協議、検討させて頂くことが可能です。

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